トルコには、Çocuk ve Gençlik Yayınları Derneği(児童・ヤングアダルト図書協会)という、トルコ児童文学の世界的な発展を目指し、子どもたちに優れた作品を届けるために設立された機関があります。略して、ÇGYDといいます。日本のJBBY(日本国際児童図書評議会)と同様にIBBY(国際児童図書評議会)のトルコの窓口として活動をおこなっています。
児童文学作家セルピル・ウラルさんはこの協会の主要メンバーであり、設立に関わったひとりでもあります。IBBYの2018年の大会がイスタンブルで開催されるのに先立ち、ÇGYDについてのお話をうかがいました。
※この連載は、2014年から2015年にかけて掲載してきた「セルピル・ウラルに聞く─トルコ児童文学の今」の続編にあたります。
第1回 児童・ヤングアダルト図書協会(1)
第2回 児童・ヤングアダルト図書協会(2)
第3回 児童・ヤングアダルト図書協会(3)
第4回 児童・ヤングアダルト図書協会(4)
第5回 児童・ヤングアダルト図書協会(5)
第6回 児童・ヤングアダルト図書協会(6)
●著者紹介
鈴木郁子(すずき・いくこ)
「トルコ文学を学ぼう」と決め、出版関係の仕事を辞め、再び学生になるためにトルコ入りしたのは、2006年4月のこと。日本の大学で学んだのは日本の上代文学で、トルコ文学のことは何も知らなかった。
語学学校を経て、トルコはイスタンブルのマルマラ国立大学大学院に合格したのが2008年9月。トルコ学研究所の近・現代トルコ文学室に籍を置き、19世紀末から現代までのトルコ文学を学んできた。トルコ語で書いた修士論文のテーマは『アフメット・ハーシムの詩に見える俳句的美意識の影響』。帰国後も、近・現代トルコ文学研究、翻訳、通訳、講師など、トルコ語に携わる。児童書を含め、トルコ文学を少しでも日本に紹介しようと動いている。